当社は、自然環境及び生活環境の保全に配慮して中央新幹線の工事を進めています。
ここでは、環境影響評価法の手続きや各工区で実施している環境保全措置について紹介します。
リニア中央新幹線の事業の実施にあたっては、環境の保全に十分配慮して計画を進めることが重要であり、できる限り環境影響の回避または低減を図っていきます。
2011年6月、環境影響評価法の手続きを始めるにあたり本事業では、他の事業に先駆け、当時施行前であった「環境影響評価法の一部を改正する法律」の趣旨を踏まえ、事業による環境への影響を回避・低減することを目的として、概略の路線および駅位置を選定。我が国初となる計画段階環境配慮書としてとりまとめ、公表するなど環境保全の重要性を強く認識し、手続きを進めてきました。
環境影響評価では、整備新幹線や最新の他の事例に拠ることはもとより、磁界などリニア中央新幹線に特有の事項を付け加えて、幅広く評価項目を設定し、確立された最新の手法を積極的に取り入れました。また環境審査会などでの審議を経てまとめられた知事意見、および環境影響評価書に対する国土交通大臣意見の一つ一つに十分検討を加え、2014年8月、最終的な環境影響評価書を公告しました。
環境影響評価法の手続きの流れについてはこちらをご覧ください。
環境影響評価法の手続きに関連する公表資料はこちらをご覧ください。
環境影響評価書に記載の通り、現地状況等に応じて適切な環境保全措置を選定し、これを確実に実施して環境影響の回避・低減を図っていきます。
ここでは各工区で実施される主な環境保全措置を紹介します。
排出ガス対策型、低騒音型建設機械の採用排出ガス対策型、低騒音型建設機械の採用により、
二酸化窒素や浮遊粒子状物質、騒音の発生を低減しています。
仮囲い・防音シート等の設置仮囲いについて、住居等周辺環境を考慮した高さの検討をおこなったうえで
設置することで、粉じんなどの拡散や騒音を低減しています。
工事排水の適切な処理工事により発生する排水は、発生水量を考慮した処理能力を
有する濁水処理設備により、法令などに基づく排水基準などを踏まえ、
沈殿、ろ過など、濁りを低減させるための処理や中和などの対策を必要に
応じ施したうえで公共用水域へ放流することで、公共用水域への
影響を低減しています。
発生土に含まれる重金属等の定期的な調査トンネルの工事においては、発生土に含まれる重金属等の有無を定期的に確認し、基準に適合しない発生土及び酸性化のおそれがある発生土は、選別して対象物質の種類や含有状況等に合わせた現場管理を行うとともに、関連法令等に基づき処理、処分を行っています。
重要な種の移植・播種工事の詳細な計画にあたり、重要な植物の種が生育する箇所をできる限り回避するとともに、やむを得ず回避ができない場合などには、類似した環境を持つ場所へ移植・播種をおこなうことで、重要な種の生育環境への影響を代償しています。なお、移植・播種にあたっては、対象個体を確定し、生育環境の詳細な調査を実施したうえで、専門家の技術的助言を踏まえながら、対象種に係る移植・播種先や手法などの検討を行っています。
資材および機械の運搬に用いる車両の出入り口、
周辺道路の清掃および散水、タイヤの洗浄資材および機械の運搬に用いる車両の出入り口、周辺道路の清掃および散水、
タイヤの洗浄をおこなうことで、粉じんなどの発生を低減しています。